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2018年05月

あー生まれてきてよかった。

寅さん

満男

「人間は何のために生きてんのかな」

「難しいこと聞くな、お前は・・・何と言うかな、あー生まれてきてよかった。そう思うことが何べんかあるだろう。人間そのために生きてんじゃねえのかな」

言わずと知れた日本を代表するロードムービー、『男はつらいよ』の第三十九作目、『寅次郎物語』からの言葉です。『男はつらいよ』シリーズは、渥美清さん演じるフーテンの寅が、柴又の団子屋「とらや」を起点に全国を旅し、庶民の目線で家族と恋と人情を紡ぎだしていきます。決して自分には成就しない恋愛・家族模様と、それ以上に厚い人情味あふれた三枚目の寅さんに、特に男性諸氏は共感と憧れに似た魅力を感じたことがあるのではないでしょうか。今月の言葉は、物語エピローグ、例によって恋愛成就せず「とらや」からまた旅に出ようとする寅さんに、甥っ子である満男の問いかけ、それに寅さんが答えた言葉です。

この満男の何気ない問いかけは、洋の東西、時代を問わない人類普遍の永遠の大テーマであります。人類の歴史の中で数多の宗教家や哲学者はこの問いの答えを追い求め、その結果、各宗教・宗旨の教義、ニヒリズムや実存主義、プラグマティズムなど多様な答えを導いています。

これは何か偉大な人達だけの問題かといえばそうではないと思います。満男のように誰しも一度は必ず考える身近な問いではないでしょうか。人生の意義、生きる意味、生きがいとかアイデンティティというものです。寅さんの答えは冒頭の言葉です。寅さんの言うとおり、人生においてそう思える素晴らしい瞬間が何度かあるかと思います。例えば頑張った結果が出て認められた時や好きな人に巡り合い結婚できた時、小さいことでいえば温泉に入った瞬間など…。

しかしその時は長い人生何度かしかなく、残念ながらその幸せの余韻は長続きしないことのほうが多いのではないでしょうか。なぜなら、この幸せは不確かなものだからです。頑張った結果を持続することは困難ですし、またそこにとどまっておれない我(エゴイズム)を持っているからです。温泉も入り通しというわけにはいきません。自分の人生の生きる意味を探求し、生まれてよかったと思えることを探すことは非常に大事な事だと思います。そのこと自体が生きる意味になるし、生きる意欲になるでしょう。しかし、容易にその答えは出ないのが現実です。

作家の五木寛之さんは『人生の目的』という本の中で、

「人生の目的は、『自分の人生の目的』をさがすことである。…しかし、これはなかなかむずかしいことである。そこで自分でつくった物語ではなく、共感できる人々がつくった物語を『信じる』という道もある。…<悟り>という物語。<来世>という物語、<浄土>という物語。<再生>という物語。<輪廻>という物語。それぞれ偉大な物語だ。人が全身で信じた物語は、真実となる。」、

とご自身の見解を述べておられます。

二五〇〇年前のインドの王子、ゴータマシッダルタも満男と同じく問いを持ち、その答えを求め続けついに仏陀(覚者)となりました。『仏説無量寿経』に仏の答えがあります。この答えを出世本懐といい、この世の生きとし生ける衆生をあまねく救済し、悟らせることが仏の存在理由です。二五〇〇年の時を経てこの物語は多くの人々の生きる意味になり力になってきました。その事実は真実となり私達のところまで届いているのです。

船橋支坊 溝邊 貴彦

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