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2014年10月
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人が死ぬと思うていたのに、儂が死ぬ。
これはたまらん。

一休

  一休禅師、室町時代、臨済宗大徳寺派の禅僧(1394~1481.88歳病死)

 私たちは、自分の本当に求めているものが何であるかを、明らかにしないままに今日まで流されてきたのではないでしょうか。私たち人間の煩悩、欲望は永遠に尽きることがありません。そして、命はロウソクの灯のように燃えてやがては消えてゆきます。そのような生き方を「流転輪廻」と教えられております。
 そのような無常の道理のなかで「これが自分の本当の生き方だ」といえるような道しるべが明らかになれば、自分自身の人生が、具体的な方向性をもって歩み始めるのではないでしょうか。行き先が決まらないままに必至に長生きしたとしても、それは虚しく時を過ごしているだけかもしれません。

 ある人が、「幸せが欲しい」と神さまにお願い事をしたそうです。神さまは「おまえのいちばん欲しいものをひとつだけやろう」と約束してくれました。その人は即座に「たくさんのお金が欲しい」と言いかけてやめました。いくらお金がたくさんあっても、すぐに死んでしまっては大変だからです。「いちばん欲しいものは、命しかない」と思い直し、「命が欲しい」とたのみました。すると神様から、「命をどれぐらい欲しいのだ?」とたずねられ、またその人は考えこみました。「長ければ長いほどいいように思うが、病気にでもなって、それでも長生きをしなければならないことになれば大変だ」と考えたあげく、ようやく決心がついて言いました。
「神さま、すべておまかせします」と。結局、その人は何ひとつお願いすることが出来ませんでした。私たち人間は、これで満足ですということがありません。これは煩悩が充ち満ちて永遠に煩悩から離れられないからです。
 煩悩に振り回されて生きる私たちだからこそ確かな人生の道しるべが必要なのではないでしょうか。それは、煩悩から離れることのできない私自身を仏教によってはっきりと知らされるところから始まるのだと思います。
「諸行は無常である」と仏教はいいます。それは、私こそが無常の存在であるということです。「人が死ぬと思うていたのに、儂が死ぬ。これはたまらん。」この言葉は、いつも私だけは別と考え、すべてを他人事としてしか受け止めることのできない私の相(すがた)が言い当てられています。
 私たちは辛くても、苦しくてもその一日一日を懸命に生きてゆかなければなりません。そしてこの法語を通して「南無阿弥陀仏」の智慧をいただき、本願に問いつづけていくことが願われているのです。

船橋昭和浄苑支坊 黒澤浄光

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