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2014年06月
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「人間は生きたことばを聞くと深い感銘をうける」
曽我量深

 私は本を読むことが好きです。最近ではネット環境も整っており、手軽に様々な文章に触れることが出来ます。

 また、人と会ってお話を聞く機会もあります。歳を重ねていくと大概のことは今までの経験上、予想することが出来るようになり、あまり驚くこともなくなるように思います。それでも文字を読んだり話を聞いたりすると、なるほどそんなものかと感心することがよくあります。まだまだ世の中には私の知らないことが沢山あるんだなと単純に喜びます。

 しかしそれは知的欲求を満たすものであったり、情報収集のためであったりするので、ほとんど私の中に残ることはありません。つまり感動が持続することがないのです。せっかく大切なことばに触れても、生かすことが出来ません。それはことばの死をあらわします。そしてそのことばを殺したのは紛れもなく私自身であると言わねばならないでしょう。
 念仏に生きられた曽我量深先生は、「書物を読む人は頭をさげないで読む。教えを聞く人は頭をさげて聞く」と言われました。私はこのことばに深い感銘をうけています。ことばには生命があり意義があります。そのことばが文字となって私たちに与えられました。その文字においてことばをみいだしていく。その文字においてじきじきのことばを聞く。ことばとなって発せられた生命、意義を教えとして頭をさげて聞くという私自身の態度が大事であることを曽我先生は教えてくださいました。
 確かにお釈迦さまは二千五百年も前にこの世を去り、親鸞聖人は七百五十年前に往生の素懐をとげられています。
 しかし、お師匠さまの生きたことばを耳の底に確かにうけとめられたお弟子さんたちは感動をもって文字に残してくださいました。その文字を教えとして頭をさげて聞くとき、今も生きてはたらくお釈迦さまに出遇い、現在も教えを説かれる親鸞聖人に遇うのです。
 私たち日本人は先の震災であまりにも多くの家族を失いました。私は、そのかけがえのない一人一人の命に頭をさげ尊い教えとしていただくところに、人間の命が生きたことばとなって私の心に深い感銘をもって響き続けていることを感じます。それが仏教の願いの力であると私は信じています。

證大寺本坊  大空

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