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2012年12月
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死と同じように避けられないものがある。

それは生きることだ。

チャールズ・チャップリン

(映画『ライムライト』より)

映画『ライムライト』は、チャップリン演じる落ちぶれた初老の道化師が、足のマヒで生きる気力を無くしたバレリーナを献身的に介護し再起させるというストーリー。今月の言葉は、この映画の中で、人生に絶望し自殺しようとしたバレリーナに道化師(チャップリン)がかけた言葉だ。
 よく「この世には唯一100%のことがあります。それは死を迎えるということです。」というお話を耳にする。確かに私は、その事実から目を逸らし日々生きている。理屈として理解していても、自分自身の事として受け入れられないのだ。自己の内実は執着と我欲に満ちており、自己の本当の姿を教えられると、不安と絶望であたふたしてしまう。このバレリーナは、自分の身体の事実を知らされた時、死を選んだ。必死で彼女を助けた道化師(チャップリン)もまた、老いという事実に翻弄されていく。大抵私たちはいのちを独立した固有のものとしてとらえ、いのち尽きればそこでお終いという感覚がこびりついている。おなじみのフレーズ、「たった一度きりの人生さ…。」間違いないが、それではやはり自己を知らされるのは苦痛以外の何物でもないだろう。なぜなら私の場合それは身の劣化を知らされることで、時限爆弾の見えない残り時間が減っていくような感覚でしかないのだから。
 この逃げようのない、不変のテーマである老いる、病気になる、そして死ぬという事実。何故目をそむけてしまうのか、何故受け入れられないのか、何故知ってしまう事が恐ろしいのか、を真面目に考えるのが仏教を学ぶ出発点だ。そして、それでおしまいではなく、このどうすることもできない自己の姿に立って、生きるという方に目を向けていく。自己の姿を教えられ、自分の感情の正体を学び、生きる事を考えさせられる。そうすると、少なくとも独立した単体の人生と思っていたところ、実はいのちは連続していて、他のいのちとの関係性の上にしか成り立たない事を私は教えられた。自分の生まれ生きる証が他のいのちに係わっている。それだけで充分に生きる意味といえるのではないだろうか。
 仏教は自分の解剖学であるように思う。仏教が難解なのではなく、それだけ自分が難解なのだ。自分の解剖をするのは勇気がいるものだが、さて皆さん一緒にスタートラインに立ってみませんか。

江戸川本坊 溝邊 貴彦

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