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2011年06月
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壊れない幸せを見いだして

東日本大震災で被災した方の言葉

 冒頭の言葉は、このたびの大震災で被災した宮城県美里町にある玉蓮寺住職の言葉です。 一部を省略して紹介させていただきます。

 真宗六谷派の本山、東本願寺で19日、宗祖親鸞の七百五十回御遠忌の最終期間となる3期法要が始まった。この日は約6千人が参拝。東日本大震災で被災した宮城県美里町の玉蓮寺の白木沢建生住職(55)や門徒ら14人も参拝した。
玉蓮寺は震災で山門が傾き、本堂は半壊。門徒5人が死亡し、家屋が全壊したりするなどの被害に遭った門徒も多く、いったん団体参拝を中止した。しかし、「末期がんで奇跡的に回復した方、昨年に夫を亡くした方などから参拝を強く希望する声があり、『途中で死んでも悔いなし』との思いで参拝を決めた」(白木沢住職)という。・・・(中略)・・・白木沢住職は「遺体安置所では、多くの棺の中の人々が私たちに『壊れない幸せを見いだしてくれ』と叫ぶ声が聞こえた気がした。それを全国へと伝えることが一番喜んでくださる気がする」と話していた。
(5月20日番MSN産経二ュース・一部省略)

 このたびの震災では1万5千人以上の命が失われました。真宗中興の祖、蓮如上人が「朝には紅顔ありてタには白骨となれる身なり」と白骨の御文で示された諸行無常を実感として日本中が感じています。
諸行無常とはすべての出来事、存在は常なるものがないということです。この道理を無視するところに、思い通りにならない私たちの苦しみも生まれます。
冒頭の言葉を述べた白木澤住職は「壊れない幸せを見いだしてくれ」と震災で亡くなったひとの声にならない声を聴きとりました。それでは諸行無常の世の中で、確かなものはなんでしょうか
 人は2度死ぬといいます。1度目は命を終えたときで、2度目はその人の名前を忘れたときではないでしょうか。名前を忘れたときに、その人の存在は私の中から消えてしまいます。反対にいえば、亡くなってもその人を念じるところに、死んでも死なないという働きがあるのだと思います。決して別れることのない出遇いがあるのだと思います。
 親鸞聖人は88歳の時に書かれた手紙で、35歳の時に、流罪によって生き別れた師匠の法然上人の言葉を「たしかにうけたまわりそうろう」「今にいたるまで思いあわせられ候なり」と述べています。「(法然上人から受け取った言葉を)今に至るまで忘れられない」という意味です。親鸞聖人にとっては、法然上人は過去の人ではなく、現在の自分の生きる道を指し示す指針であり、かなめ(宗)だったのです。
冒頭の住職の言葉は、震災で亡くなった方に向かい合う中から聞こえてきた言葉です。故人から何が願われているかを真に受けていくことで、私たちにとって生きるかなめ(宗)が明らかになるのだと思います。私たち、一人一人に故人から託されているものは何でしょうか。
證大寺住職 井上城治

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